依存症拠点機関事業

連絡先 HOME

アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症の改善を目指して

事業概要

 依存症は、アルコール依存、薬物依存をはじめとする物質依存だけでなく、行動嗜癖(例: ギャンブル、インターネット嗜癖)など幅広い領域にまたがっており、今日の世界が抱える最も大きな社会・健康問題の一つである。世界保健機関の統計によると、アルコール、タバコはDALYsを指標にした世界の健康障害のそれぞれ第3位と6位を占めている。また、周知のとおり、違法薬物は各国で深刻な社会問題を引き起こしている。ギャンブルは我が国だけをみても人口の男性の9%、女性の2%が依存状態にあり、インターネット嗜癖は成人だけでも270万存在すると推定されている。
 このように依存症に由来する問題は広範囲でかつ深刻であり、かつ適切な治療と支援により回復が十分可能な疾患であるにもかかわらず依存症対策は不十分な現状が続いている。その背景としては、依存症治療には専門的なトレーニングや体制が必要であり、それを有する医療者、医療機関が圧倒的に不足していることや依存症に対する周囲や患者自身の偏見等もあり、依存症者が必要な治療を受けられていないことが挙げられる。このような厳しい現状に対し、平成25年3月に、厚労省より「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会報告書」が取りまとめられ、依存症拠点病院構築の必要性が示された。また、平成25年12月に制定された「アルコール健康障害対策基本法」においても、依存医療の向上の必要性が明記されている。このような状況を踏まえ、平成26年度に全国に5ケ所に依存症の治療及び回復支援を目的として、依存症の治療を行っている精神科医療機関から「依存症治療拠点」が指定された。同時に全国の依存症治療拠点機関で集積した治験の評価・検討を行い、治療・回復プログラムや支援ガイドラインの開発を行う「全国拠点病院」についても設置されることとなり、依存症治療拠点機関で集積した知見の評価・検討を行い、依存症の治療・回復プログラムや支援ガイドラインの開発や支援体制モデルの確立に寄与することを目的として、久里浜医療センターと国立精神・神経医療研究センター(以下、両センター)が連携し、久里浜医療センターはアルコール依存症とギャンブル嗜癖、国立精神・神経医療研究センターは薬物依存症の全国拠点機関として指定された。今後は、平成26年度から平成28年度までの3か年に亘り、各種業務を行っていく予定である。



ページのトップへ戻る